RFCの概要と例
FCの概要と例
RFC(Request For Comment)は、IETF(インターネット技術特別調査委員会)により作成された技術仕様のドキュメントです。
インターネット上で公開されています。
技術仕様の内容は様々ですが、例えば以下のものがあります。
- Webやメールなど、インターネット上の通信のプロトコル(規約)の規定
例:RFC5321 SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、電子メールの基本プロトコルの仕様 - 各種データのフォーマット(書式)の規定
例:RFC8259 JSON(JavaScript Object Notation)データ交換フォーマット - その他、RFCで使用される用語の規定など、様々なもの
例:RFC2119 (RFC において要請の程度を示すために用いるキーワード)、後述します。
RFCの内容理解のためのポイント
業務または趣味で、RFC読みをこれから行う方向けに、内容の読解をよりスムーズに行なう上でのポイントを、
(あくまで私見ですが)二点ほど挙げます。
ポイント(その1):和訳を入手する
私の知る限り、すべてのRFCは英語で記述されています。
英語ネイティブスピーカー、もしくは英語読解が得意な人ならよいですが、
そうでない場合は、まず何とか和訳を入手することをお勧めします。
現時点では、Google翻訳等、無料で和訳が取得できる手段がいくつかありますが、
RFCのような技術仕様書の場合、テクニカルタームなど、その技術に精通していないと和訳が難しい内容がほとんどだと思います。
まずネットで探す、なければ、自分でできる範囲で和訳する、翻訳業者さんに依頼するなど、とにかく和訳を入手すべきです。
ポイント(その2):「要請の程度を示すキーワード」に着目する
RFCは、何らかの技術仕様について、その仕様に準拠するためには何をどうするか
(例えば、どういうデータをどういう方法で送受信するか)について記述しております。
その記述において、仕様の発案者が、記述内容をどの程度適用すべきか、を表すキーワードを使用することがあります。
そのキーワードは、仕様の発案者から、仕様の読者(仕様を理解し、それに準拠するソフトウェア作成などを行う人)に対する
「要請の程度」を表すものです。
この、RFCにおける「要請の程度」を表すキーワードは、RFC 2119で規定されています。
RFC 2119(日本語訳)によると、 RFCにおいて「要請の程度」を示すために用いるキーワードには、以下のものがあります。
- 「MUST(しなければならない)」
- 「MUST NOT(してはならない)」
- 「REQUIRED(要求されている)」
- 「SHALL(することになる)」
- 「SHALL NOT(することはない)」
- 「SHOULD(する必要がある)」
- 「SHOULD NOT(しないほうがよい)」
- 「RECOMMENDED(推奨される)」
- 「MAY(してもよい)」
- 「OPTIONAL(選択できる)」
このそれぞれのキーワードが表す「要請の程度」を、
大まかにでも把握した上でRFCを読むと、
仕様の発案者の「ココロ」がより伝わってくると思います。
おわりに
今回は「RFC」についての説明と、その読み方についての提案を致しました。
以前、RFCの読解や日本語訳の作成を行った時に得た知見が、少しでもどなたかの参考になれば、と思います。
ではまた。
- 当ページの人物画像はNIGAOE MAKERで作成しました。